PICK UP ACTRESS 浜辺美波

PICK UP ACTRESS 浜辺美波

PHOTO=厚地健太郎 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「キミスイ」の大ヒットに続き
「亜人」に主人公の妹役で出演

 
 

――「君の膵臓をたべたい」が大ヒットしてますが、反響は実感してますか?

「『観たよ』と言ってくださる方がとても多くて、うちのおばあちゃんも3回観に行ってくれました。それはすごくうれしかったですね。舞台挨拶をやらせていただいたときも『たくさんの方に届いているんだな』と感じました」。

――街で声を掛けられたりも?

「それはまだないので(笑)、いつか掛けられたら、うれしいかなと思います」。

――今回の「亜人」は佐藤健さん、綾野剛さんらイケメンキャストが多くて、完成披露試写では女性のお客さんが多かったですね。

「そうでしたね。私には新鮮でした。舞台あいさつで私は、佐藤さんと兄妹のお芝居をするうえでの説明を最初に監督さんに受けた話とかをさせていただきました」。

――以前から好きなマンガのひとつに「亜人」を挙げてましたが、この実写映画への出演が決まってから読んだんですか?

「いえ、決まる前からアニメをリアルタイムで観ていて、それからマンガも買い始めました。少年マンガが好きで、バトルものはよく好んで読んでいます」。

――美波さんが演じた永井慧理子は、兄の圭への気持ちとか、原作とちょっと違う気がしました。

「私の知ってる慧理子ちゃんとは、意外と違う部分がありました。原作ではお兄ちゃんのことを『クズ』とかひどく言って憎んでる節がありますけど、映画ではどちらかというと芯の部分ではお兄ちゃんを好きだったりします」。


――「昔から冷たかった」と言う一方で、かくまってくれたおばあさんには「私の病気を治すためにお医者さんを目指したんです」と話したりも。

「お兄ちゃんが勉強に熱心になりすぎて遠くに行ってしまったように感じて、その距離がすごくあるから、ぎこちなかったり『冷たい』と思っているんですよね。でも、絆みたいなものはあると思います」。

――圭が亜人(死んでも命を繰り返す新人類)だったことを知っても、接し方が変わらないようでもありました。

「ビックリはしても『お兄ちゃんは変わらない』とすごく思っています。亜人だろうが何だろうがお兄ちゃんはお兄ちゃん。そう考える妹を演じました」。

――おばあさんの家に着いて、圭に「今日は早く休め」と言われたあとは、複雑な表情をしてましたね。

「あの辺から遠かった兄妹の距離がちょっと縮まったんですけど、本当に複雑だと思いました。お兄ちゃんの暖かみが慧理子ちゃんにはうれしかったと思うので、そういう気持ちも表情に出したつもりです」。

――原作の慧理子を知っていただけに、戸惑う部分もありませんでした?

「マンガのイメージがとても強かったので、お兄ちゃんの圭との兄妹関係を改めてつかんでいくのは不安でした。現場に行ってやりながら……という部分が多かったです。普通に性別の違う兄妹の距離感もわかりませんでした」。

――美波さんは実際はお兄さんはいないんでしたっけ?

「いません。年の離れたお兄ちゃんがいたら、いろいろ助けてくれそうな気がして、よく『欲しいな』とは思ってました。脚本を読んで『お兄ちゃんって、こういうものなんだな』と学びながら、妹の体験をさせていただきました。私、お芝居でもお兄ちゃんがいる役はほぼ初めてで、長女や一人っ子役が多かったから、妹の特性みたいなものも表現できたらいいなと思いました。そこをガッツリ出すわけではなくても、やっぱり長女と妹は違うものがあるので、お兄ちゃんに影響を受けた感じがちょっと性格にも出ていればと思います」。


――慧理子は性格的には、わりと冷静なタイプですかね?

「お兄ちゃんがいる妹にしては、芯が強いというか、しっかりしているかなと思います。そこは原作と映画で共通していると感じました」。

――圭との関係性以外で、慧理子を演じるうえで意識したことはありました?

「最初の監督のお話で、『病気で入院しているから、しゃべりすぎたりすると疲れてしまう』とか『いきなり体を動かしたらダメ』とか、説明がありました。そこもはっきり描かれたわけではないですけど、ニュアンスを伝えたかったので意識しました。ただの元気な女の子とかではなく、体のことがあって、お兄ちゃんがお医者さんとして接してくれる部分が観ている方に伝われば……というのがありました」。

――病気の役が続きましたが、美波さん自身は健康なんですよね(笑)?

「私はもう食べるのが大好きだし(笑)、運動も生活に取り入れ始めたので、おかげさまで健康に過ごさせていただいてます」。

――入院した経験もなく?

「はい。でも、ありがたいことに病院と縁のある役は多いんですよね(笑)。何気に4回くらいやっていて、撮影では病院によく行きます。今回入院していた病院は、前に精神を病んでいる役をやったときと同じところだったんです」。

――あっ、ドラマの「無痛~診える目~」のときですか?

「そうです。病気の役をやっていて同じところでまた撮影できるのはビックリしましたし、ちょっとうれしい部分もありました」。



 
 

アクションを間近で見て刺激を受けて
自分でもコツコツと運動を始めました

 
 

――で、運動も始めたと。

「川栄(李奈)さんとご一緒させていただいたシーンがあって、私は守ってもらったんですけど、アクションが本当にカッコよくて! 同時に自分がどれだけ運動ができないかも感じたので(笑)、いろいろな人に聞いた運動をちょっとやってみたり、体を壊さない程度に歩いたりしています」。

――自分でもアクションをやりたくなって?

「何ですかね? 川栄さんくらいしっかりした筋肉や技が身に付けばですけど……いつかやりたいです(笑)!」。

――美波さんはもともと運動のほうは……。

「得意とはとても言えないので、できる人はカッコイイと思って憧れがあります。私は小さいときから駆けっことか苦手で参加しないようにしてましたし、運動会はすごくイヤでしたね(笑)」。

――他には「亜人」の撮影で印象に残っていることはありますか?

「IBM(亜人が操る黒い粒子の分身)をCGでやっていて、川栄さんに守ってもらうシーンも、見えないものに向かって演技をしました。私はそういうのが初めてだったので楽しかったし、すごく難しいとも思いました」。


――見えないものをイメージするのが?

「そうです。最初に『IBMはこうやって動く』と教えてもらうんですけど、やっぱりそこにいないと感覚が全然違いますし、今までにやったことのない演技でした」。

――IBMは人間には見えないので、持ち上げられた川栄さんが宙に浮いているようになったり。

「すごかったですね。そういうのも含めて、ちゃんとしたアクションを間近で見ると迫力があって、たくさん刺激を受けました」。

――それから、美波さんの写真集「voyage」と来年のカレンダーが発売前から重版が決まって話題になりました。「私すごい!」みたいな感覚はありますか(笑)?

「いやいや! もうまったくないですね。最近1ヵ月うれしいことばかりが続いてますけど、私がすごいというより、皆さんがたくさん応援してくださったり、周りのスタッフさんとのご縁が大きかったのかなと思います。タイミングとか全部がありがたかった感じです」。

――写真集は自分で見返すこともありますか?

「撮影した台湾がすごく楽しかったので、たまに普通のアルバムのように見たりします」。

――発売記念イベントの会見では足つぼマッサージを受けた話がありましたが、他に台湾ならではの体験はできました?

「ごはんはすごくおいしかったです。空芯菜とか緑色の炒め物だったり、見たことのない料理がたくさん出てきたんですけど、私が食べたものはすべておいしくて。それがすごくうれしくて、『また行きたい!』と心から思いました」。


――夏は「キミスイ」の地方キャンペーンもあって忙しかったかと思いますが、思い出はできましたか?

「何だかんだとお休みもちょっといただけたので、やりたいことをやったり、食べたいものを食べました。スイカをひと玉、大きいのを買ってきて、切って全部1人で食べたり(笑)」。

――まるまる1コを?

「そうなんです。ずっとやりたいと思っていたんですよね(笑)。ただ、ひと玉ってなかなか場所を取るし、スイカは意外と日持ちしないので、1日で全部食べ切りました」。

――無理やり食べた感じですか?

「意外とすぐいけて、半日くらいで食べちゃいました(笑)。それでスイカが大好物になりました。切るのが面倒くさいので、今はカットスイカを食べてますけど、便利でおいしいですよね。夏が終わってほしくないと、スイカのためだけに思いました(笑)。キャベツもひと玉買ってきて食べたし、かき氷機をもらったので、かき氷は1年中食べます」。

――本当に食べることがお好きなようで(笑)。いいんですけど、17歳になって、もっと青春っぽいことをしようとは?

「私にとっての青春は、スイカを食べることです(笑)。プライベートで挑戦はしていきたいですね。さっき言ったように運動を始めて水泳もやっているので、健康を意識して野菜をちゃんと食べるとか、そういうことをコツコツやって、花のセブンティーンにしていきたいです(笑)」。

――運動系で新たにやりたいことはありますか?

「今ハマっているのが、1時間くらいかけて本屋さんに歩いて行って、また1時間かけて帰ってくることですけど、そういうのをずっと続けていきたいです。運動を嫌がらずに習慣化させて、筋肉を落とさないようにするのが一番です」。


――女子高生っぽく渋谷あたりで遊んだりは?

「そういう学生っぽいことは、もともとそんなにやりたいとは思ってなかったです。どちらかというとお仕事のほうを頑張りたいので、プライベートでもお仕事で実になるように、運動だったりをしたいです」。

 
 


 
 

浜辺美波(はまべ・みなみ)

生年月日:2000年8月29日(17歳)
出身地:石川県
血液型:B型
 
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2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞。これまでの主な出演作は、映画「逆転裁判」、「エイプリルフールズ」、「咲-Saki-」、ドラマ「まれ」(NHK)、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(フジテレビ系)、「無痛~診える目~」(フジテレビ系)など。主演映画「君の膵臓をたべたい」が公開中。映画「亜人」が9月30日(土)より全国東宝系にてロードショー。写真集「voyage」、「浜辺美波 2018カレンダーブック」(KADOKAWA)が発売中。

詳しい情報は公式HP
 
 

「亜人」

詳しい情報は公式HP


 

 
(C)2017映画「亜人」製作委員会 (C)桜井画門/講談社
 
 

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