PICK UP IDOL 東京女子流
PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志
「見ちゃいけない東京女子流」をテーマに
今までになく弾けた両A面シングル発売
――両A面シングル「光るよ/Reborn」のリリースイベントは、冬の屋外会場もありました。
山邊「衣装がノースリーブのことが多いので、外のときは寒さに耐えながらやっています。リリースイベントだとメンバーと距離が近いから、パフォーマンス中に鼻をすする音が聞こえてきて(笑)、『私だけではなくて、みんな寒いんだな』と思います」。
中江「芽生(庄司)が隣りにいると『フン、フン……』とめっちゃすすっていて、『大丈夫かな?』という感じです(笑)」。
――東北出身の芽生さん、ひとみさん(新井)は寒さに強いのでは?
庄司「それがですね……」。
新井「そんなことはないんです。東北の人は寒さに強いイメージがあると思いますけど、外が寒いから中で過ごしているんですよ」。
中江「むしろ、その2人のほうが寒がりです(笑)」。
庄司「私は究極の冷え性だから、冬は外に出たくないです」。
新井「女子流のメンバーはみんな手足が冷たい(笑)」。
中江「冷え性が多いかも……」。
新井「でも、『Reborn』を歌っていると体が暖まります」。
――アゲアゲなパーティーチューンですもんね。東京女子流は去年から新クリエイティブによる楽曲をリリースしてきました。それによって、自分たちのスキルが上がった感覚はありますか?
新井「ありますね」。
中江「『同じことは二度とやらない』をテーマにしてきたから、新しいことに対応できるようになったし、『これも挑戦していいんだ』って何にも捉われなくなりました。今までも何かに縛られていたわけではないですけど、開放された気分がすごくあります」。
庄司「今回の『光るよ』も、作詞してくれた春ねむりさんのディレクションが、わりと自由にやらせてくれるものだったんです。自分でいろいろ探り探りで曲に合う歌い方を見つけたりしたので、レコーディングがすごく楽しくなりました」。
山邊「おねむさん(春ねむり)は同じ歌い手だから、いろいろな歌い方をしたい気持ちが通じて、本当に好きにやらせてくれます。それで今までしなかったかわいい歌い方ができたり、みんなの個性もより出るようになりました。今は出来上がった曲を聴くと、『ここは芽生が歌っている』とか、ちゃんとわかります」。
新井「私は低い音を担当することが多くて、自分でも『ここだな』というのがありましたけど、ちょっと歌い方を変えてみたら、地声ではない裏の声の出し方も身に付いたので、高い音が出やすくなりました。歌える幅が広がって、すごく楽しいです」。
――去年のシングル2枚は“毒”を打ち出したクールな路線でしたが、今回の2曲は打って変わって、共にポジティブで弾けた曲になりました。
庄司「世界観を作るという意味では、去年の1年間で女子流らしいものを確立できたように感じます。だからこそ『今年の一発目は弾けちゃおうよ!』ということもできる。この振り幅を出せたのも、去年があったからだと思います」。
――こういう曲がファンの人に受け入れられるか、不安はありませんでした?
山邊「むしろファンの皆さんに披露するのが楽しみでした」。
庄司「9年間活動してきて、ついて来てくれたファンの皆さんを信頼しているので、いろいろな挑戦をしていく女子流を楽しんでもらえればと思います。ひとつのコンセプトを続ける方は多いと思いますけど、私たちはグループ名にも『東京のように目まぐるしく変わり続ける』という意味がありますから」。
――「光るよ」では、春ねむりさんからどんなディレクションがありました?
山邊「私はおねむさんによく『声がいいね』と言ってもらえて、誉めて伸びるタイプなのか(笑)、『もっと頑張ろう!』とやる気が起きます。今回も『その個性を出していこう』と、同じパートを何回も何回も録ったんですけど、自分でもどんどん良くなるのがはっきりわかりました。おねむさんとだからできた歌い方になってますし、『光るよ』がキラキラしたものに仕上がったと感じます」。
新井「この曲は強い女性の歌というより、ふんわりとしたイメージがあるんです。なので、Aメロで私が歌う『魔法を知ってた~』や『愛があふれる~』の語尾を『ふんわりと丸みのある感じにしてほしい』と、おねむさんに言われました。それを意識したのと、いつもの女子流のようなキメキメというより、『光るよ』だから明るくポジティブに、ハッピーな感じで歌っています」。
――歌う上で自分でイメージしたことも?
庄司「私はこの曲自体が、女子流の軸であるライブのことを歌っていると思っています。だから、私たち自身の気持ちを入れて、ステージから見えるみんなの楽しそうな表情を思い浮かべながら、レコーディングしました。ポップで明るい曲の中に、『私たちが何より大切にしているのは、ライブでのみんなとの時間だよ』という、一番伝えたいメッセージを込めているんです」。
新井「歌詞を読むとライブの情景が浮かびますね。『この場所から見えるぜんぶ宝物だよ』とありますけど、私たちからすると、パフォーマンス中に見える皆さんが楽しそうにしている光景が、ライブの空間でしか味わえない宝物なんです。この4人でしか見ることのできない景色でもあるし、ひとつひとつのライブが本当に大切です」。
――DVDには「光るよ」のメイキングムービーも収録されますが、そこに入ってないことも含め、MV撮影中の面白話はありますか?
山邊「友梨(中江)がソロを撮っている間に、3人でモノマネ大会を開きました。確か私が言い出して、『ぼくドラえもん』とか、クオリティの低いモノマネをしてました(笑)」。
庄司「ひとつのお題で、みんながやる感じです」。
山邊「いろいろなキャラクターをやったよね? アンパンマンとか(『クレヨンしんちゃん』の)ボーちゃんとか……。全部クオリティは低かったです(笑)。あと、寝てるスタッフさんの顔にいたずら書きをしようとしました」。
――結成9年で全員20代になっても、そんな子どもじみたこともするんですね(笑)。
庄司「書こうとしたんですけど、私たちがクスクス笑っちゃって、スタッフさんが起きちゃいました(笑)」。
山邊「主に私のせいでバレたんです」。
新井「未夢(山邊)はめっちゃ笑うんですよ」。
山邊「今度のシングルは『見ちゃいけない東京女子流』がテーマですけど、それと一緒で『笑っちゃいけない』と思うと笑いがこみ上げてきちゃいました(笑)。ドッキリができないタイプです」。
羊と狼の要素が8対2だからこそ
たまにブラックが出るのが魅力です
――「Reborn」はSEAMOさんの作詞で、「羊の皮脱ぎ捨て」とか「私は本当は狼」と歌っています。女子流には羊の皮をかぶった狼的なメンバーはいますか(笑)?
新井「芽生ちゃん?」。
庄司「私は『しっかりしている』とか『真面目』と言われますけど、意外とプライベートは適当かもしれません(笑)」。
中江「大雑把で『どっちでもいいから決めて』みたいなところはあるかも……。そういうふうに見えませんけど」。
庄司「女子流のことはちゃんと考えますけど、他のことは『何でもいいよ』って感じです」。
中江「最近、私の扱いも雑になっています(笑)」。
庄司「そんなことないよ~」。
中江「私から『ごはんを食べに行こう』と誘うことが多くて、芽生は『うん。行こうね』とは言ってくれるんです。でも、具体的な日にちや場所は言ってこないので、『私だけが行きたいのかな?』と思っちゃう(笑)」。
庄司「決めてくれたら行きます」。
中江「それだと、私ばかり気持ちが大きいみたいじゃないですか!」。
新井「もう、カップルかよ(笑)?」。
中江「未夢は思っていることをちゃんと伝えてくれるんですけど、ベタベタすると『それはちょっとイヤ』と言われます(笑)」。
山邊「ぬくもりが気持ち悪いんです」。
3人「アハハハハ(爆笑)」。
山邊「人の体温と不意に触れると『ひぃーっ!!』となります(笑)。ファンの人には、信頼し合っているからツッコまれるんですけど、ひとみがSNOW(カメラアプリ)で羊になったとき、『3人は羊だよね。未夢ちゃんは狼だから襲わないでね』と言われて(笑)、『私だって羊だよ!』と思いました」。
中江「『これはちょっと違う』と思ったらハッキリ言ったりするところは、狼な感じなんですよね。でも、ちゃんと羊の面もあります。美意識が高くて、すごく女の子らしい」。
庄司「素直でかわいい」。
中江「だけど、いたずら好きなところも踏まえると、やっぱり狼だと思います(笑)」。
――どんないたずらをするんですか?
山邊「マネージャーさんをビックリさせたりします(笑)。曲がり角に来るのが見えたら、隠れていて『ワッ!』とやって、『ウワーッ!』とビックリした顔になるのを見るのが好きです。『シメシメ』という感じです(笑)」。
新井「3人はみんな、わりといたずら好きだと思います。私はそれを動画で撮る係で、あとから見て『面白い!』と笑いたいタイプです」。
――ひとみさんに狼な顔があったら、一番ビックリです。
新井「あると思いますけど……」。
山邊「やっぱり羊の要素が多くて、8対2くらいの割合ですかね。いつもかわいいのに、ステージでたまにブラックな表情が出たりツッコんだりすると、ファンの人がギャップで、かえって『ひーちゃん、いいね』となります」。
――普段も狼な面が出ることはありますか?
中江「物語にすごく入り込みやすくて、主人公の気持ちになるのか激しい感情を出して、『どうした?』みたいになるときはあります」。
新井「今、『花より男子』をまた観出しているんですけど……」。
山邊「道明寺がつくしにイヤな言い方をすると、『なんでそんなこと言うの!?』って、めっちゃ怒ってます(笑)」。
新井「『つくし、行けーっ!!』と思ったので(笑)」。
庄司「いつも『やれーっ!!』と言ってるもんね(笑)」。
山邊「そういうところはひとみの羊ではない部分かな」。
――それにしても、なぜ今、10年以上前に放送された「花より男子」を観ているんですか? 去年の「花のち晴れ~花男 Next Season~」から遡ったとか?
新井「私は学園モノが好きで、演技にも興味があるので観始めました。『この表情いいな。取り入れられるかな?』という感じで観ています」。
――道明寺司派か花沢類派かと言ったら?
新井「うーん……。やっぱり王道系で道明寺ですね。花沢類もやさしくていいんですけど」。
山邊「でも、道明寺は最初、“オレ様”じゃない?」。
新井「オレ様が好きなんです(笑)」。
山邊「おっ。それは書いておいてください。次からひとみの握手会にはオレ様が並びます(笑)」。
――曲のほうには、ひとみさんの「AWOO!」という狼ふうの遠吠えが入ってます。
中江「遠吠えオーディションがありました(笑)。みんなの遠吠えを録ったんですけど、ひとみが見事に採用されました」。
新井「遠くのものにガッつくイメージで吠えました(笑)」。
――今回、衣装の制作に未夢さんが携わったそうですが、普段からオシャレなんですか?
中江「オシャレは好きだよね?」。
山邊「常にインスタとかで『こういうのがあるんだ』って見ています。最近は海外のトレンドも見てますが、私はイギリス系の服が好きなんです。『ジャケットを羽織って黒のミニスカートを穿いて……』みたいな感じが好きですね。日本はみんな流行っているものを着るじゃないですか。どの人を見ても『今はモコモコね』という感じですけど、向こうの人って自分が着たいものを着るから、『あっ、新しい』と思うことが多いです。同じファッションがあまりないので、イギリスの方のインスタを見ていると、全然飽きません」。
――メンバーの私服にダメ出しすることはありませんか(笑)?
山邊「ないですよ(笑)。それぞれ系統が違って、あまりカブりません」。
中江「強いて言うなら、(並びの)真ん中で2対2に分かれない?」。
山邊「私とひとみはかわいい系が好きで、友梨と芽生はカジュアルな感じ」。
中江「スカート派とパンツ派。私はあまりスカートを穿きません」。
新井「でも、友梨が時々スカートを穿いてくると、ちょっとドキッとします(笑)」。
中江「それはどういう感情? よくわからないよ(笑)」。
――もう冬も終わって春になりますが、何か始めたりはしますか?
山邊「プライベートだと、最近、本を読むようになりました。今読んでいるのは、山田悠介さんの『8.1 Horror Land』。普通と違う視点だから次の展開が読めないし、私はサイコパスな感じが好きなので。そういう本をたくさん読みたいと思っています。あと、ファンの人もたぶん知りませんけど、私は意外とゲーマーで、携帯でリズム系とか、頭を使うのとか、テトリスとか、めっちゃやるんですよ。移動中にやっていたゲームで、デイリーで全国2位にもなりました!」。
中江「すごい! 本格的だ」。
山邊「2位になってすごくうれしかったから、思わずスクショしてブログに上げました。春からもゲームは暇なときにやりながら、極めたいと思います」。
新井「私はカフェ巡りをよくしていて、中でもタピオカ屋さんが好きで、この前も新大久保に新しくできた、ジェジュンさん(JYJ)がプロデュースするお店に行きました。茶葉ではなくイチゴやマカダミアを使った新感覚のタピオカで、ボトルは透明で中のタピオカが見えるけど上はカンみたいになっているからかわいいんです。そういうカフェ巡りをまたしたいです」。
中江「私は外国が好きなんです。英語も洋画も洋楽も好きで、もっと海外のものに手を付けようと思っています。音楽だと基本R&Bですけど、ウォーク・ザ・ムーンとかチャンス・ザ・ラッパーとかフー・ファイターズとか、幅広く聴いています。だから、去年出演させてもらった『サマソニ』は私得のイベントで、すっごいテンションが上がりました。海外のアーティストのちょっとオーバーな表現とか、いろいろ勉強になりました」。
庄司「私は今年、スケジュール帳を手書きでちゃんと書くようにしています。その日感じたことや考えたことも書いて、やりたいことは赤とか色分けして、毎月の目標も必ず立ててクリアしていこうと思っています」。
――さっきの話と違って、全然雑ではないですね。
中江「確かに」。
――雑なのは友梨さんの扱いだけなのでは(笑)?
中江「私とはマンネリになってきちゃった(笑)?」。
庄司「違います(笑)!」。
中江「最近、本当にドライ。でも、この時期を乗り越えれば、また元の仲に戻れると思うので、辛抱強く待ちます」。
東京女子流(とうきょうじょしりゅう)
2010年1月1日に結成。同年5月にシングル「キラリ☆」でデビュー。「音楽の楽しさを歌って踊って伝えたい!」をテーマに掲げる。2012年と2013年に日本武道館公演を開催。台湾や香港でワンマンライブを重ねるなど、海外でも精力的に活動している。2015年1月に「アーティスト宣言」をしたが、2017年6月に撤回して原点回帰。2018年には新クリエイティブ陣による2枚のシングルをリリースした。
【CHECK IT】
「見ちゃいけない東京女子流」をテーマに、これまでの路線と一線を画した26thシングル「光るよ/Reborn」(両A面)を2月27日(水)に発売。「Reborn」はシンガーソングライターでラッパーのSEAMOが作詞。
詳しくは東京女子流 公式サイトへ
山邉未夢(やまべ・みゆ)
生年月日:1996年6月 24日(22歳)
出身地:千葉県
血液型:B型
新井ひとみ(あらい・ひとみ)
生年月日:1998年4月10日(20歳)
出身地:宮城県
血液型:O型
中江友梨(なかえ・ゆり)
生年月日:1997年6月28日(21歳)
出身地:大阪府
血液型:O型
庄司芽生(しょうじ・めい)
生年月日:1997年7月2日(21歳)
出身地:山形県
血液型:O型
「光るよ/Reborn」
(CD+Blu-ray)¥2000+税
(CD)¥1000+税
5thシングル「光るよ」のMVはこちら!