FRESH ACTRESS 池間夏海
PHOTO=河野英喜 HAIR&MAKE=YOSHi.T(AVGVST)
STYLING=後藤仁子 INTERVIEW=斉藤貴志
CMで注目された沖縄出身の16歳
映画「ニセコイ」で純真な美少女役
――映画「ニセコイ」で、主人公の一条楽(中島健人)が想いを寄せる小野寺小咲を演じました。“純真無垢な美少女”という役柄ですが、もともと美少女な夏海さんが、気を配ったことはありましたか?
「撮影していたときは15歳で、ニキビができやすい時期だったので、大好きなチョコを我慢して、きれいな肌でいるように心掛けました。クランクアップしたあとに、おいしいチョコを食べました(笑)」。
――原作マンガに寄せるようにもしたんですか?
「マンガの小咲の仕草を実写でどう表現したらいいのか、すごく難しくて悩みました。誰からもかわいく見えないといけないと思い、立ち方、歩き方、話の聞き方などにいろいろ気をつけました。たとえば歩くときは少し内股にしたり、話すときにゆっくりめにしたり……」。
――普段の夏海さんの動きとは違ったわけですか?
「私も普段から行動が少し遅いと言われます。東京に来てから徐々に直しているのですが、中学の頃は“亀”と呼ばれていました(笑)。そういうところは似てるかもしれないですね」。
――もともと原作は知っていたそうですね。
「知ってました。だから『小咲役なんだ……』と思って、すごくプレッシャーを感じましたが、うれしかったです」。
――「ニセコイ」に限らず、マンガは好きなんですか?
「好きです。少女マンガはたまに読むくらいで、『キングダム』や『NARUTO』などの少年マンガが好きです。『ニセコイ』は少年マンガのラブコメで、すごく面白いなと思っていました」。
――ヤクザの息子の楽とギャングの娘の桐崎千棘(中条あやみ)が、親の組織の抗争を避けるために恋人のフリをさせられる設定は、ラブコメでも少年マンガっぽいですよね。
「設定も超異色で、キャラクターもすごく個性的なので、なかなかないハチャメチャなラブコメディになりました。平成最後の冬に、絶対観ていただきたいです!」。
――撮影の現場はどんな雰囲気でした?
「皆さん、すごく仲良くて、本当の学校のクラスのように楽しかったです。クランクインしたとき、私は沖縄から上京してきたばかりで、自分が実際に行っている高校より、『ニセコイ』の凡矢理高校の制服のほうが長く着ているように感じました。さっき取材で久しぶりに着たときは懐かしかったです」。
――マンガのままの制服でした。
「私は海の色の水色が大好きなんですけど、水色のスカートというのはなかなかないので、お気に入りポイントです」。
――劇中でクラスメイトになった千棘役の中条あやみさんとも仲良くなりました?
「最初は緊張して、私からはなかなかお話できなかったのですが、中条さんのほうから気さくに話し掛けてくださって、一緒にお弁当を食べたりしました」。
――どんな話で盛り上がりました?
「年が6歳離れているので、『今の子はどういう曲を聴くの?』と質問されたり、中条さんから曲を教えていただいたりしました」。
――現場で流行っていたことはありますか?
「中島さんのキメ台詞の『セクシーサンキュー』に返す言葉として、スタイリストさんと『ユアウェルカム、セクシー』と言ってました(笑)。普通に『ありがとう』と言われてもそれで返したりしました。すごくハマって面白かったです」。
――中島さんとは現場でどんなやり取りがありました?
「私が最初からずっと緊張していたのを中島さんは見抜いていて、小咲の大事なシーンの前に私が迷っていると『ここはこういう感じで行ったほうがいいかもね』とか、一緒に考えてアドバイスをくださいました」。
――小咲も実は楽のことが好きで、両想いなのにお互い気づいてない関係ですが、楽というキャラクターについては、夏海さんはどう思いました?
「すごくモテモテですよね。楽を追い掛けて転校生も来たりして、みんなに想いを寄せられてますけど、たまに見せるやさしいところにすごくキュンとくるのかなと思います」。
――楽と千棘は“ニセコイ”ですが、小咲の立場からすると、想いを寄せている男の子が他の女の子とつき合っている状況になっています。「自分だったら……」と考えたら、かなり辛くなりますよね?
「ずーっと想い続けていた男の子が、転校してきたばかりの女の子とつき合っていると聞いたら、すごくショックですよね。かといって、私も積極的に『好きです』とか言えないと思うので、何かしら好きな人の前で自分を良く見せたくて、アピールみたいなことをするかもしれません」。
――たとえば、どんなアピールをします?
「身に付けるものや洋服の系統をその人の好みに合わせて変えたり、いろいろ聞いてみて好きな食べ物や趣味を自分も相手と同じにするのもいいかなと思います」。
――小咲は「相手が幸せならそれでいい」と言ってましたが、そこまでは割り切れないとか?
「もちろん幸せの邪魔はできませんけど、『自分にもちょっとだけでも興味を持ってもらいたい……』というのはあると思います。ニセの恋人だと知ったら、『自分も頑張らないと』ってなりそうです」。
自分の気持ちを素直に伝えられずに
譲ってしまうところは共感しました
――夏海さんと小咲の共通点だと思うところはありますか?
「私は小咲みたいな女の子らしい振る舞いはなかなかできないのですが(笑)、自分の思ったことを相手にうまく伝えられないところは似ている気がします。小咲は楽に自分の気持ちをなかなか言えないし、自分のやりたいことがあっても『私は次でいいよ』って譲ってしまう。それは思いやりの心があるからだと思いましたが、素直に言えないところは私も共感しました」。
――夏海さんも譲ってしまいがちだと?
「そうですね。お菓子がラスト1コになって、食べたいと思っても、『私よりもっと食べたがっている人がいるかもしれない』ということを、ちょっと考えてしまいます」。
――夏海さんも思いやりの心があるんですね。映画で特に印象に残っているシーンはありますか?
「最後に小咲が思い切って想いを伝えるシーンです。現場でわからなかったことが、試写を観て『こういうふうに映るから、監督はああ言ってくださったんだ!』と謎がすべて解けた気がしました。そこに感動しました」。
――臨海学校や学園祭の話も出てきますが、夏海さんの学校行事の思い出というと?
「中学の体育祭でクラス対抗の800mリレーというのがあって、男子と女子の選抜で出るんですけど、それに『タイムが速いから出て』と言われました。みんなで譲り合いというか押し付け合いをしていて(笑)、結局出ることになったんですけど、すごく楽しかったです」。
――肝だめしもしたことはあります?
「沖縄の地元のお祭りで、友だちと一緒におばけ屋敷に行ったりはしました。ホラー映画を観るよりは、おばけ屋敷のほうが平気です」。
――小咲には大切にしている小さい頃の思い出の品がありますが、そういうものは何か持っていますか?
「友だちからもらったお手紙や応援メッセージは箱にしまって、大切に保管しています。私は友だちに恵まれていて、上京するときに、保育園の頃から一緒だった友だちや小学校の頃にずっと仲が良かった友だちから、たくさんお手紙をもらえました。元気を出したいときに読み返してます。上京してからお母さんが送ってくれた手紙も大切にしていて、読んだら『頑張ろう』と思います」。
――どんなことが書かれていたんですか?
「『あなたは周りの人に恵まれているから、毎日感謝して過ごすんだよ』とか『夢に向かって頑張って』とか……。母は私の一番の理解者で、一番応援してくれています」。
――東京で冬を過ごすのは初めてなんですよね。
「はい。たぶん沖縄の冬が東京の秋くらいなんです(笑)。こちらの冬は本当に未経験だったので、楽しんでいます」。
――沖縄出身のタレントさんから「冬物の服を持ってなかった」とよく聞きます。
「そうなんですよ。春と秋にコートや羽織ものが必要なことにビックリして、こっちに来て初めて買いました」。
――東京の暮らしにはだいぶ慣れたのでは?
「まだ友だちがそんなにできていないのですが、生活にはだいぶ慣れました。戸惑ったのは言葉のイントネーションです。やっぱり沖縄と違うので、『私は間違っているのかな?』と思ったり、同年代の子たちのように自然に会話するにはどんな言葉を使えばいいのか、観察したり聞いたりしてます。でも、なかなか慣れません」。
――電車も沖縄にはないんでしたっけ? 逆方向に乗っちゃったりしませんでした?
「それは沖縄でもバスでやっていました(笑)。本当に何度も反対方向に乗ってしまいましたが、東京の電車には間違えずに乗れるようになりました」。
――お正月は帰省するんですか?
「そうですね。家族のところに帰って、いろいろ報告できたらと思います。親戚みんなで集まって、ごはんを食べながらお話するのがすごく楽しみで、初詣もみんなで並んで参拝します」。
――新年はどんな年にしたいですか?
「もっともっと飛躍したいなと思っています。いろいろチャレンジをして、まだ行ったことがないところに一人旅もしてみたいです」。
池間夏海(いけま・なつみ)
生年月日:2002年7月10日(16歳)
出身地:沖縄県
血液型:B型
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小学生時代にドラマ「斉藤さん2」(日本テレビ系)などに出演。2018年3月より放送のエフティ資生堂「シーブリーズ デオ&ウォーター/ボディシート」のCMで注目される。日本マクドナルド「ワッフルコーン マクドナルドの本気篇」のCMにも出演。映画「ニセコイ」は12月21日(金)より公開。主題歌になっているヤバイTシャツ屋さんの「かわE」MVに出演。
詳しい情報は公式HPへ
「ニセコイ」
詳しい情報は「ニセコイ」公式HPへ
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