PICK UP ACTRESS 桜田ひより
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
「咲-Saki-」実写新作で初の主演
麻雀部員の役を元気いっぱいに
――「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」のひよりさん、すごく良いですね! いつも良いんですけど反抗期とか陰のある役が多かったので、元気ハツラツな穏乃役はキラキラして見えます。自分でもいつもと違うスイッチが入った感じですか?
「全然違いました。女の子しか出てない作品で、現場も和気あいあいとしていましたし、穏乃ちゃんと自分が重なる部分もありました。元気なところと体を動かすところは似ていたので、すごくやりやすかったです」。
――今まで演じてきた役と比べて、穏乃は素に近いと?
「だいぶ素に近いですね」。
――穏乃は叫びながら走ったり、「任せとけ!」と言ったりしますが、そういうテンションの高さも自然に出ました?
「そうですね。私はあまり叫んだことはないですけど(笑)、声は大きくて通るほうなので、穏乃ちゃんに近づけたと思います」。
――テンションが上がったときのひよりさんが穏乃、みたいな感じ?
「どうなんだろう? 私もすごく喜んだときには飛び跳ねたりします。あまりないことですけど、そういうところが似てるかもしれません」。
――「体を動かす」とのことですが、何か運動をしているんですか?
「穏乃ちゃんは山を走ることが好きですが、私は山で走ったことはあまりなくて(笑)、体育の授業が好きです。家の周りでジョギングもします」。
――ドラマでは、伊藤萌々香さんが演じた憧をおんぶして、山道を走るシーンもありました。
「道がデコボコだったし、坂道もあったから、バランスを崩して萌々香ちゃんを落としちゃうといけないので、すごく気をつけながら走りました。でも萌々香ちゃんが軽かったので、全然余裕でした」。
――すごい。やっぱり、心に何かを抱えているような役より、ナチュラルにできたみたいですね。
「でも、今回の役の方がやりやすかったということはなくて、難しさは変わりませんでした。麻雀のシーンが一番難しかったのと、私が阿知賀の5人の中で一番小さい設定でしたけど、本当は萌々香ちゃんより私のほうが大きいので、バランスを合わせるのも大変でした」。
――麻雀のシーンでは目力が出てました。
「それはあまり意識はしてなかったんですけど、目のアップが多くて、アップすぎてコンタクトを外したり、瞳の中に景色が全部映っちゃうから白で囲ったり、そういうことはしてました」。
――女子中学生としては、麻雀に馴染みはなかったですよね?
「なかったですね。大人がやるものというイメージがあって、私が関わることはないと思ってました。撮影が始まる前に1カ月間、みんなでたくさん麻雀の練習をして、牌の名前を覚えたりしました」。
――ルールはすんなり頭に入りました?
「やっぱり難しかったですね。牌の名前も、同じような漢字があったりするし……。でも、基本的なルールしかわからなくても、すごく楽しかったです」。
――ゲームとしての楽しさは感じたと?
「相手の待ちを読むのが好きです。『これが出てるから、あれを待ってるのかな?』とか、『これは大丈夫だろう』と思って出したらロンされて『ああ、悔しい……』ってなるのが楽しいです(笑)」。
――キャストはほぼ皆さんが初心者だったかと思いますが、練習でガチで対局すると、ひよりさんの強さはどれぐらいでした?
「他の学校の麻雀部役の人も含めて、いろいろな方々とやりましたけど、どれくらいだったんだろう? 一度、国士無双をツモることができたので、運は強いほうかなと思います。逆に、その国士無双で運を全部使っちゃった感じもしました(笑)」。
――運は普段から強いほうなんですか?
「強いほうだと思います。ただ、学校の発表会でスピーチの順番をクジ引きで決めたとき、1番だったんですよ。それはうれしくない1番で(笑)、『こういうところで運を使っちゃうんだろうな……』って、ちょっと残念でした」。
自分ではわからないけど
「負けず嫌い」と言われます
――牌の持ち方や打ち方はだいぶ練習したんですか?
「最初に持ち方をプロの方に教えていただいて、家に牌を持ち帰って、指の運動をして練習しました。牌を持ちながら回す動きとか、最初は全然できなかったんですけど、今は普通に回せるようになりました」。
――打つときとかに心掛けたことはあります?
「穏乃ちゃんは捨てるときに、一回置いてから弾くクセがあるので、それは意識しました」。
――台詞に出てくる麻雀用語で、言いにくかったのは?
「“ホーラ率”とか“チートイツ”とかですね。用語がたくさんあるので、スタッフさんが全部まとめた紙をくださったので、とても助かりました」。
――映画では全国大会の準決勝がハイライト。現場の空気も緊迫してました?
「そうですね。私はクランクインの日が、その大将戦。撮影に入る前まで舞台をやっていて練習に行けなかったから、自分で練習するしかなくて、結構不安でしたね。でも、うまくいきました」。
――何かでああいうトーナメント戦の経験はあります?
「全然ないです。でも、体育の授業のバスケでチームで対戦すると、真剣になります。そこは負けず嫌いが出るのかな?」。
――負けず嫌いなんですか?
「自分ではわからないんですけど、人から『負けず嫌いだね』と言われることは多いです。だから、そうなのかもしれません」。
――今回はドラマ、映画と初めての主役を全うしました。
「最初は『みんなを引っ張らないといけないのかな?』という不安がありましたけど、全然そんな必要はなくて、一番年下の私を、お姉さんたちが引っ張ってくださいました。毎日些細なことで笑ってワチャワチャやっていた感じで、楽しい現場でした」。
――メインキャストの阿知賀女子学院麻雀部には、SUPER☆GiRLSの渡邉幸愛さん、私立恵比寿中学の中山莉子さんとアイドルグループのメンバーもいましたが、女優さんとのノリの違いみたいなものはありました?
「アイドルの方は積極的に話し掛けてくださいました。そこはちょっと違うかなと思いました」。
――主題歌も5人で歌ってます。
「歌は聴くのは好きですけど、人前で歌ったことはなかったので、不安はありました。5人中3人が歌手をやっているので相談したら、『楽しんで歌えばいいよ』ということだったので、『わかった!』って歌いました(笑)」。
――レコーディングは順調に行ったんですか?
「(スタジオに)いろいろな機械があって緊張しました。でも、楽しかったです。女の子の歌でキーが高くて、私はもともと声が低めだから大変でしたけど、頑張りました」。
――今回、穏乃の幼少期は子役さんが演じてます。
「不思議な感じがしました。いつも私は幼少期をやるほうだったので」。
――ひよりさんも3月には中学卒業ですからね。名残り惜しい感じもします?
「今はそれより、私も含めて受験生なので。高いところを目指している人は昼休みも勉強していて、私もやっているときがあります。高校に行くと、みんなバラバラになっちゃうので、受験が終わったら遊んだり出掛けたりしたいです」。
――寒い冬に、ひよりさんのお楽しみはありますか?
「誕生日があるので、冬は好きです。ケーキはいつも私の好きなチョコレートケーキにしてもらってます。あと、鍋がおいしい季節ですよね。キムチ鍋、トマト鍋、しょうゆ鍋……。いろいろ食べるのがすごく楽しみです(笑)」。
桜田ひより(さくらだ・ひより)
生年月日:2002年12月19日(15歳)
出身地:千葉県
血液型:A型
【CHECK IT】
小学6年生のときにドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ系)に出演して注目されて、「ワイルド・ヒーローズ」(日本テレビ系)でヒロインを演じる。その他の主な出演作は、ドラマ「希望ヶ丘の人びと」(WOWOW)、「ホクサイと飯さえあれば」(MBS・TBS系 ほか)、「犯罪症候群」(東海テレビ・フジテレビ系)、映画「脳内ポイズンベリー」、「にがくてあまい」、「東京喰種 トーキョーグール」など。「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」のドラマ特別篇はMBSで1月7日(日)24時50分~、TBSで1月9日(火)25時28分~から放送。映画は1月20日(土)より公開。
詳しい情報は公式HP
「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」
詳しい情報は公式HP
(C)小林 立/SQUARE ENIX・「咲阿知賀編」プロジェクト