PICK UP ACTRESS 岡崎紗絵
PHOTO=厚地健太郎 INTERVIEW=斉藤貴志
「僕たちがやりました」でヒロインの親友役
イマドキのオシャレな女子高生ぶりで目を引く
――「僕たちがやりました」でヒロインの親友の三浦由佳役。演じていると、高校生の気持ちに戻ります?
「そうですね。私が高校生だったのはもう4年前ですけど、隣りに17歳の現役女子高生の(永野)芽郁ちゃんがいるので、若返ります(笑)。キャピキャピまではいかなくても、いつもよりハイテンションな感じになります」。
――紗絵さんの高校時代も、由佳のようにイマドキな感じだったんですか?
「流行っているメイクやファッションは好きで、イマっぽい感じを追い掛けてはいたかもしれないですね。学生の頃は名古屋にいたので、栄とか大須とか名古屋駅とか、そういうところによく友だちと買い物に行ってました」。
――やっぱり派手な女子高生でしたか。
「そうですね。派手だったと思います(笑)」。
――当時からモデルの仕事はされていましたが、高校生活での思い出もありますか?
「東京の子だと芸能科とかに入ることも多いと思いますけど、私は普通の学校だったので、普通の高校生活も楽しみました。みんなと一緒に体育祭も文化祭も全力でやったし、そういうイベントごとですごく盛り上がりました。バレンタインも好きな子にあげるとかじゃなくて、友だちみんなに作っていくという感じでした。廊下に自分の作ったチョコを持って並んで、みんながポイポイ取っていって、お祭り騒ぎでしたね」。
――紗絵さんもチョコを手作りしたんですか?
「ブラウニーを作った覚えがあります。みんなで食べて、すごく楽しかったです」。
――高校生タレントだと、仕事で行事に参加できないこともあるようですが……。
「私はだいたい出られたので、思い出はたくさんあります。修学旅行も楽しかったですし、体育祭や文化祭に向けて夏休み返上で学校に行って、準備の作業もしました。衣裳は全部自分たちで作ったんです。体育祭で応援団みたいなことをやって、その衣裳も友だちと『ここがうまくできない』とか電話しながら、ミシンでガガガガと縫いました」。
――どんな衣裳を作ったんですか?
「組ごとにカラーとキャラクターが決まっていて、3年生のときの私たちのクラスは赤で天狗でした。それでクラスTシャツもあって、うちの学校で50何年続いている3年生の応援のダンスを、夏休みに朝から出ていって練習したりもしました」。
――青春していたんですね。由佳は原作にないオリジナルキャラクターということで、人物像は考えました?
「やっぱり『イマドキっぽく』というのは言われました。自分の素で行くと声のトーンとかもちょっと落ち着いた感じが出てしまうので、気分的に明るく、芽郁ちゃんや(今田)美桜ちゃんに合わせて少し上げて……というのは、だいぶ意識しています。あと、3人のなかではお姉さんっぽいキャラクターですね。芽郁ちゃんの蓮子が悩んでいたらアドバイスするし、引っ張っていく部分もあるかなと。1話では自分がつき合っている彼氏と連絡が取れなくて『どうしよう……』となってましたけど……」。
――隣りの矢波高のナンバー2の不良の有原とつき合っていたということで、自分も優等生ではないですかね?
「そういうタイプではないですね。イケイケな感じです。有原とは一瞬で別れちゃいましたけど(笑)。トビオを探すのに利用されたことがきっかけで。でも、有原のケンカっぱやいところまでは、きっと知らなかったんでしょうね。そこまで知っていたら、引いちゃうと思います。しかも、ボコボコにされた相手が自分の高校の子だったとなると……。そういうのを深く知らないまま、つき合っていた感じがします」。
――由佳は制服姿も何かカッコイイですよね。単に紗絵さんのスタイルがいいからかもしれませんが、着こなしで意識していることはあります?
「そこもイマドキっぽい感じで、スカートも1コ折っていたり、ボタンもカチッとしないでルーズにちょっと着崩したり。キャラに合うように着ています」。
――蓮子が本音で話せる親友という設定ですが、あまり似たタイプではないように見えます。
「蓮子はわりと1人行動が多くて、思い立ったらバーッと突っ走っていくタイプで、由佳にはそこまでの行動力はないと思います。だから似てはいないんですけど、蓮子もイマドキでなくはないから、そういう面ではきっと話が合うんでしょうね」。
――紗絵さんの親友は自分と似たタイプですか?
「わりと似てるかもしれません。テンションが上がるときは上がるし、落ち着いてしゃべるときはしゃべる。あと、友だち関係がそんなに広くない(笑)。数人の友だちと深くつき合う感じなんです。自分の友だちもそういうタイプで、サバサバした子が多いかもしれません」。
――インスタには、芽郁さんに壁ドンされる動画なども上がっています。
「芽郁ちゃんは初めて会ったときからスッと普通にしゃべれて、ヘンに気をつかう感じはありませんでした。美桜ちゃんとも波長が合って、公式ツイッターで3人で撮った写真も初日からああいう距離感で行けて、すごくいやすさがありました」。
――朝ドラのヒロインにも決まっている芽郁さんには、「すごい」と思う部分もあります?
「あります。目がすごくキラキラしていて吸い込まれそうになるし、17歳らしく元気なときはすごく元気ですけど、落ち着いている面もあって両方持っていますよね。だから、一緒にいてもいやすいのかな?」。
――美桜さんとの「ただ暑いってだけ」という動画も上がってました。
「あれは確か、芽郁ちゃんが撮っていて2人で後ろで待っていたときに、何もなくいきなり動画を回しました。ただ『暑い』しか言うことがなかったから『暑い』と言っていたという(笑)。そういうふうに気負わずに普通な感じでいけるのがいいですね。わりと女子3人のシーンが多いので、回を追うたびに仲良くなっていきます」。
――夏のロケだと、やっぱり暑さにうだることも多くて?
「あの日もめちゃくちゃ暑かったです。上に木とかあるわけでもないし、頭の上がすぐ空、すぐ太陽、みたいな。日傘がないと溶けちゃいそうでした(笑)」。
――モデルの仕事では、夏に冬物の服で撮影とかもあるんでしょうけど。
「そうですね。本の発売時期に合わせて撮るので、季節と着る服が逆転していることが多くて、今も冬物で撮っています。私は夏に冬服を着るより、冬に夏服を着るほうが苦手です。寒いなかでタンクトップとかを着ていると、鳥肌が止まりません。雪が降っているのに、肩を出した服で“気分は夏”みたいな撮影のほうが大変です(笑)。夏の冬服もバーッと汗が出ますけど、そっちのほうがまだいいかな」。
――季節としても夏のほうが好きなんですか?
「花火大会とか楽しいことがあるので、遊びに関しては夏のほうが好きです。と言っても、花火大会には行ってませんけど(笑)。毎回テレビで観て『ああ、いいなぁ』という感じで、去年から夏っぽいことはしてないんですよね。プールも海も全然行けてないし……。今年は何とか、お祭りに行きたいです。屋台が出ていて、花火も上がったらうれしいし、あのガヤガヤした雰囲気に溶け込みたいです。棒に刺さったキュウリは絶対に食べます」。
――チョコバナナとかではなく?
「そういうかわいいものじゃなくて、キュウリが大好きです(笑)。みそを付けたり、塩漬けにされているといいですね~。あと、ラムネも飲むかな」。
やってしまった失敗はアイロンで
太ももをやけどしたことです(笑)
――「僕やり」が最終的にどうなるか、紗絵さんたちはもう知っているんですか?
「(取材日時点で)今は8話を撮り出したくらいで、私たちはまだわからないです。芽郁ちゃんや窪田(正孝)さんはわかっているのかも。私はトビオやパイセンたち4人のことは蓮子を通して知る感じで、ガッツリ絡むことがないんですよね。だから4人がどうなっていくのかは、私もあまり読めてないです」。
――オンエアを観て、誰かに感情移入したりしますか?
「やっぱりトビオ目線でストーリーを追っている感じです。観ていると、あの4人は仲間感が強くて、騙したりもしつつ、掛け合いもすごく面白い。テンポ感もいいから、きっとキャストの皆さんも本当に仲良いんでしょうね。あまり現場でお会いする機会はないですけど、それはすごく感じます」。
――ハマるドラマですよね。
「普通の学園モノよりお話がブッ飛んでいるので、展開がどうなっていくのか予想しにくいのが、観ていて楽しいです」。
――ぶっちゃけ「自分の出番がもっとほしい」とも?
「ハハハハ(笑)。まあ、しいて言うなら、4人のあの感じを生で見たかったです。1話で矢波高がバーンと爆発して、凡下高でも避難をしていたとき、パイセンがおかしなことを言って先生にビンタされたんですけど、それを生で見られたのはうれしかったです」。
――紗絵さんもいずれはヒロインを目指していくんですよね?
「ゆくゆくそうなったらうれしいですけど、今は足りないところだらけなので……。もっと経験を積み重ねて、そういうところをフラットにできるようになれたらと思います」。
――地道に演技をやっていこうと?
「はい。まだヒロインの器ではないです。自分で客観的に観ても『ああすれば良かった』とか、いろいろ思うところがあるので。それはヒロインをやられている方も思うのかもしれませんけど、もうちょっと違う自分が見えるようになったらうれしいですね」。
――今、女優として課題にしていることはありますか?
「『こう思っているから、こういう言葉が出る』とか、役の気持ちを深く読むことです。昔は台本の文字を追うだけで精一杯で、『ちゃんと台詞を言えるか?』みたいなところでドキドキしてました。けど、『どんな気持ちを持っているのか?』『相手をどう思っているのか?』というところまで深く追求して言葉を言うと、重みも違うだろうしニュアンスも変わってくるので、表面上の言い回しより、気持ちを考えるようになりました」。
――ひと言の台詞でも、どんな感情を込めるかで全然変わると言いますよね。
「先輩から、そういうふうに教えてもらいました。前にドラマで、何回か同じところで言い間違えたとき、文字だけを追うのではなくイメージするように言われたんです。たとえば『ものを落とした』と言うなら、落としたものとかまで連想すると言葉も間違えなくなるとアドバイスをいただいて、そういうことを意識するようになりました」。
――「僕やり」の公式HPのメインキャストインタビューでは、共通質問として「最近やってしまった失敗」を聞いてますが、紗絵さんはそういうのはあります?
「超ちっちゃいことですけど、アイロンで太ももをやけどしました(笑)」。
――えっ? 手ではなくて?
「床に座ってアイロンをかけていたんですけど、アイロン台の脚が何か引っかかって邪魔だったから、片方を折ったんです。それでアイロンを一瞬手離したら、ザーッと降りてきて、左足の太ももがジュワーッとなったという(笑)」。
――それ、一歩間違えていたら……。
「大惨事でした(笑)。めちゃくちゃ熱かったです。意外とそういうことが多くて。この前はアイロン台を出すのが面倒くさくて、自分の膝を台にして服をのせて、アイロンをかけていたんですね。それで何も考えずスチームボタンをポチッと押したら、スチームがプワーッと出て、膝がただただ熱かったという(笑)。そのときは右足をやけどして、跡が今も残ってます」。
――膝の上にのせた服に直にアイロンをかけたんですか……?
「はい。みんなに『バカなの?』と言われました(笑)」。
――(笑)。これから秋はどういうふうに過ごしますか?
「自分に飽き性なところがあって、たとえば本を読んでいても、途中で他の本を読みたくなるんですよ(笑)。それで最後まで読めなかったりするので、何かひとつのものに没頭する秋にしたいです。他の人がたぶんサラッとできることでも、私はすぐ他のことが気になってしまうのを直す努力をしたいと思います」。
――読書の秋でいうなら、とりあえず1冊読了しようと?
「そうですね。本を読むのがそんなに得意じゃなくて分厚い本はダメだから、本屋さんで薄いのがあったら、タイトルも見ずにカンで『これはイケる』と思って買うんです。それで読み始めたら、隣人を刺すみたいな殺人の話でビックリしてやめたり(笑)。読書でいったら、そういうことを避けて、とりあえず何か読み切りたいです」。
岡崎紗絵(おかざき・さえ)
生年月日:1995年11月2日(21歳)
出身地:愛知県
血液型:B型
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「ミスセブンティーン2012」でグランプリに選ばれ、「Seventeen」(集英社)の専属モデルを2015年4月号まで務める。2016年5月号から「Ray」(主婦の友社)の専属モデルに。女優としてのこれまでの主な出演作はドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」(関西テレビ・フジテレビ系)、「仰げば尊し」(TBS系)、「嫌われる勇気」、「人は見た目が100パーセント」(フジテレビ系)、映画「ReLIFE リライフ」など。ドラマ「僕たちがやりました」(関西テレビ・フジテレビ系/火曜21:00~)に出演中。2018年公開の映画「不能犯」に出演。
詳しい情報は公式HP
「僕たちがやりました」
詳しい情報は公式HP